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【フタコン通信】VOL.020(2013年02月25日号)


【 豆知識 】

1.その後の『地殻変動』について

東日本大震災直後の『フタコン通信VOL.009(2011年04月23日号)』において、大震災で震源地を中心とした日本の地面がどの様に変動したかを解説いたしました。

http://www.futaba-con.co.jp/topics/magagin_110423.shtml

大震災直後は、東北から関東地方の広い範囲で、震源のある東方向に確認されており、震源にほど近い宮城県の牡鹿半島では東南東方向に約5.3m移動し、高さは約1.1m沈下していました。
あれから2年でその地殻変動はどの様に推移したのでしょうか。

a)水平変動:大震災後の余効変動は引き続き見られ、未だに震源地方向に引っ張られているようです。いわきの電子基準点での水平変化量の比較では、震災直後の1.91mに対し最新のデータは2.30mと40cm程変動が増大しています。

b)垂直方向:大震災後の余効変動は引き続き見られ、震源地に近い地域では沈下した標高が元に戻る方向に推移しているようです。いわきの電子基準点での垂直変化量の比較では、震災直後の-0.50mに対し最新のデータは-0.36mと14cm程標高が高くなっています。

直近1年間の地殻変動情報については、国土地理院のホームページで確認できますので下記よりご覧下さい。

http://mekira.gsi.go.jp/project/f3/ja/index.html

注)表示地域を「東北」、期間を「1年間」にし、表示形式を「水平方向」・「垂直方向」でご覧いただくとわかりやすいと思います。


2.最新の土地の境界について

『フタコン通信VOL.010(2011年06月24日号)』において、大きく地殻変動した土地の境界はどうなってしまうのか、について解説いたしました。

http://www.futaba-con.co.jp/topics/magagin_110624.shtml

その中で、「国土地理院では、一日でも早く正確な位置の情報を国民に提供できるよう、国土の基準である電子基準点や三角点の改測(測り直し)を行っている。」と解説しました。
現在ではそれらの作業はほぼ完了し、震災前の座標値から震災後の座標値に補正したい場合は、国土地理院において座標補正パラメータを一般に公開し、それを利用し座標補正することができるようになりました。

http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/patchjgd/main.html

それでは震災後の用地境界を復元する方法は・・・

上記のパラメータを使用し、基準点(多角点・図根点など)を補正した後、地図(14条地図)及び地積図などの情報(座標値)より、境界を復元することが可能となっています。
ただしこの場合、法務局や登記情報提供サービスにより公図等を閲覧し情報を取得する際、座標値がまだ補正がされていない地域がありますので注意して下さい。
少し専門的になりますが、座標値が補正されていない地域は基準点の座標値及び標高値のばらつきが大きいため補正されていない場合が多いので、その地域に関しては従来の方法(国土調査成果基準点や現地(既存)境界などから)で復元することが望ましいです。

もし土地の境界でお悩みをお持ちの方や、この機会に境界をはっきりさせたいと思っている方は、弊社スタッフまたはお知り合いの土地家屋調査士へご相談下さい。


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