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【フタコン通信】VOL.038(2016年02月25日号)


【豆知識】

※アメダスについて

二十四節気『雨水』を過ぎる頃になると空から降るものが雪から雨に替わり深く積もった雪も融け始める頃です。草木が芽生える頃で、昔から農耕の準備を始める目安とされてきました。
今回は天気予報でよく出てくる「アメダス」について御紹介します。

[1]アメダスとは

アメダス(AMeDAS)とは、地域気象観測システムの英語名
 Automated(自動的に)
 Meteorological(気象の)
 Data(資料を)
 Acquisition(集める)
 System(装置)
の頭文字を並べた略語です。

「いつ」「どこで」急に降るかわからない突発的な性格を持っている集中豪雨などによる気象災害を防ぐために気象庁が開発し、昭和49年(1974)11月から運用を始めました。
全国およそ1,300か所の無人観測所から降水量や気温などのきめ細かいデータが気象庁に集まり、各報道機関にも送信されています。
このアメダスの観測データによる雨の分布画面は、昭和58年(1983)4月からテレビの天気予報やニュースに登場し、続いて気温は翌昭和59年(1984)から、風(風向・風速)と日照が平成2年(1990)からテレビに登場しました。
また、豪雪地帯を中心に全国およそ210か所で積雪量(積雪の深さ)を観測しています。

ところで、「アメダス」という言葉がテレビに初めて登場したころ、「雨も降らないときにもアメダスと言うのはなぜか」「アメダスというのは、大阪弁で『雨だす(アメですよ)』という意味か」などの質問・問い合わせが放送局にあったといいます。
この「観測データシステム」の名称を決めるにあたっては、気象庁ではAMDAS(アムダス)をはじめ幾通りもの略語が候補にあがったそうです。
その際、木村耕三さんという当時の観測部長が「即座にMeteorologicalのMeを採って、AMeDASにすることに決めたと言われる」という由来があります。

[2]アメダスの観測している気象要素

アメダス観測所では以下の気象要素を観測しています。

1.降水量
・0.5mm単位で観測
・雪・あられ等は溶かして液体の水にし、雨と合わせて計測する仕組みになっている。
・雨量計により計測を行っており、転倒ます型雨量計を採用している。

2.気温
・摂氏0.1度単位で観測。
・温度計により計測を行っており、電気式温度計を採用している。

3.日照時間
・太陽が照らした時間を2分単位で観測。

4.風向風速
・風の吹いてくる方向を16方位で表す。
・風の速さを1m/s単位で観測。
・発表されている値は観測時刻までの10分間平均値。
・風向風速計により計測を行っており、風車型風向風速計を採用している。

5.積雪
・積もっている雪の地面からの高さを1cm単位で観測。
・主に雪の多い地域で観測。10分ごとの観測は行わず、1時間ごとの観測。
・積雪計により計測を行っている。積雪面と超音波の反射時間の変化を測定するタイプの超音波式積雪計を使用。
 超音波の替わりにレーザーを用いた光電式積雪計を使用する場合もある。

(参考)Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%80%E3%82%B9

[3]その他

「アメダス」の「ダス」をもじったり、英語訳のDAS(=Data Acquisition System)を用いたりして、名称や略称を「○○ダス」とする例があります。

鉄道において地震の発生時に速報を行う「ユレダス」、バンダイが発売している商品名の「カードダス」などは典型的な例です。
2006年に休刊し、現在では電子辞書やインターネット百科事典として展開している「イミダス」の印象と相まって、情報システムやデータベースなどの名称に使われることも多いです。

【おまけ】

『フタコン通信 VOL.030』において、「雨について」を取り上げております。
こちらのバックナンバーからご覧いただけます。
http://www.futaba-con.co.jp/topics/magagin_141027.shtml


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