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【フタコン通信】VOL.084(2023年10月26日号)
【豆知識】
「紅葉のメカニズム」
夏の暑さもおさまり、朝晩は涼しくなるなど季節はすっかり秋へ。今回はそんな秋に誰もが感動を覚える自然現象『紅葉』について、葉の色の変化の仕組みについてお話いたします。
そもそも樹木は全てが紅葉するのではなく、サクラ・カエデ・ブナ・イチョウなど冬支度により木の葉が落ちる落葉樹が紅葉します。
落葉樹は秋を迎え、徐々に気温が下がりはじめると葉を落とす準備を始めます。そして葉が役割を終える過程で、葉の色の変化が起こります。その色の変化が紅葉ということです。
落葉するプロセスにて、まずタンパク質の分解作用によりクロロフィル(葉緑素)を少しずつ破壊し枝に吸収します。同時に葉と枝の間に離層と呼ばれる壁をつくり、水や栄養の行き来を少しずつ遮断します。このクロロフィルの消失により光合成などをサポートする役割を持つカロテノイドの黄色が目立つようになり、だんだん黄葉してゆきます。また葉っぱではまだクロロフィルが少なからず存在し、光合成によってつくられたグルコースは枝に送ることができず葉の中に蓄積されます。過剰に蓄積されたグルコースが行き場を失い、様々な生合成経路を経てアントシアニンと呼ばれる赤い色素に合成されます。残ったカロテノイドの黄色と合成されたアントシアニン量で葉全体が真紅-橙―黄の間の色になります。これが紅葉の仕組みです。
紅葉の見頃は、秋(9〜11月)の気温が低いと早まり、高いと遅れます。今年の9月は記録的な残暑となり、紅葉名所の色づきは遅れている所が多くなっているそうです。
これからの季節私達の目を楽しませてくれる紅葉。木々の様々な働きによって作り出される美しい彩に今年も心癒されたいものですね。