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【フタコン通信】VOL.034(2015年06月24日号)


【豆知識】

[1] 熱中症について

今回は近年、増加している熱中症についての豆知識です。
日常に潜む危険や救急処置など正しい知識を身につけて、暑い季節も安全に過ごしましょう。

「熱中症の種類」

(熱失神) 皮膚血液の拡張によって血液が低下、脳血流が減少して起こります。脈は速くて弱くなります。特徴:めまい・一時的な失神・顔面蒼白

(熱けいれん) 大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こります。特徴:筋肉痛・手足がつる・筋肉がけいれんする

(熱疲労) 大量に汗をかき、水分の補給が追いつかないと、身体が脱水状態になり熱疲労の症状がみられます。特徴:全身倦怠感・悪心・嘔吐・頭痛・集中力や判断力の低下

(熱射病) 体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)がみられたり、ショック状態になる場合もあります。特徴:体温が高い・意識障害・呼びかけや刺激への反応がにぶい・言動が不自然・ふらつく

「熱中症の救急処置」

以上のように「熱中症」にはさまざまな症状があります。めまいやふらつきなど熱中症の初期症状に気付いたらすぐ休むべきですが、もともと体調が悪いために頭痛や倦怠感を感じている方は、熱中症になっていても気付かないことがあります。また熱で意識がもうろうとしてきて、自分の状態を判断できないまま急に意識を失う場合もあります。

万が一熱中症が起きてしまった時には、適切に応急処置をする必要がありますが、以下の点を観察しひとつでも当てはまれば、すぐ医療機関に連れて行きましょう。

 1.本人の意識がはっきりしていない
 2.自分で水分や塩分が摂取できない
 3.症状が良くならない

(熱けいれんの場合) 生理食塩水(0.9%の食塩水)を補給すれば通常は回復します。

(熱失神・熱疲労の場合) 涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給すれば通常は回復します。

(熱射病の場合) 死の危険のある緊急事態です。集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。また、いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、身体を冷やすなど現場での処置が重要です。熱射病が疑われる場合には、直ちに全身に水をかけたり、濡れタオルを当てて身体を冷やします。また、首すじ、脇の下、大腿部の付け根などの大きい血管を水やアイスパックで冷やす方法も効果的です。足を高くし、手足を末梢から中心部に向けてマッサージするのも有効です。吐き気やおう吐などで水分補給ができない場合には病院に運び、点滴を受ける必要があります。

「熱中症の予防法」

◎運動する環境には注意しましょう
暑い時期の運動は、なるべく涼しい時間を選んで実施するようにします。また長時間運動を続けることは避け、こまめに休憩をとりましょう。

◎水分補給をきっちりと
汗をたくさんかいたときは、失われた水分とともに塩分(ナトリウム)を補給するようにしましょう。

◎暑さに徐々に慣らしていきましょう
急に暑くなったとき、身体が暑さに慣れるまで1週間程度はかかります。また運動強度が強いほど熱の発生が多くなり、熱中症の危険性も高くなります。身体が暑さに慣れないうちは激しい運動は避け、軽めで短時間の運動をすることで徐々に身体を慣らしていきましょう。しばらく運動を中断して再開したときも同様です。

◎できるだけ薄着にし、直射日光を避けましょう
暑いときは、吸湿性のある素材や通気性のよい衣服を選択するようにします。炎天下で運動する場合は、帽子をかぶり直射日光を避けましょう。

◎日常の健康管理に注意しましょう
睡眠不足、二日酔い、朝食を摂らなかった、風邪による発熱、下痢などからくる脱水など、体調不良が熱中症に悪影響を与えることがあります。このような時は正直に申告し、熱中症の防止に努めましょう。

「最後に」

環境や社会の変化にともない、近年ニュースなどでよく見聞きするようになった熱中症。
熱中症は、夏の強い日射しの下で激しい運動や作業をする時だけでなく、身体が暑さに慣れない梅雨明けの時期にも起こります。
また屋外だけでなく、高温多湿の室内で過ごしている時にもみられます。
症状が深刻なときは命に関わることもありますが、正しい知識があれば予防することができます。
熱中症を知り、自分でできる熱中症対策を心がけましょう。


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