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【フタコン通信】VOL.072(2021年10月25日号)
【豆知識】
「土木学会選奨土木遺産について」
土木遺産?世界遺産の間違いなんじゃないの?って思われた方もいらっしゃるかと思いますが、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、公営社団法人土木学会が平成12年に設立した認定制度です。選出方法は推薦及び一般公募で、毎年20件程度が選出されています。
令和3年度は全国で25件の認定があり、福島県では福島・新潟両県をつなぐ「只見線鉄道施設群」が新たに認定されました。地域の資源活用や豪雪地帯を結ぶライフラインとして、また機能美や四季折々の風景を創生する貴重な土木遺産群として評価されたものです。
福島県初の土木遺産として平成14年度に認定された「安積疎水関連施設」に含まれる「十六橋水門」をご紹介します。
十六橋水門は会津盆地と安積原野の流量確保のため、猪苗代湖の水位調節を行うことを目的として建設された制水門です。オランダ人土木技術者ファン・ドールンにより当時最も進んだ技術で建設されました。ファン・ドールンは著書「治水総論」で治水の原則を教え、安積だけでなく利根川・淀川・信濃川の改修や仙台の野蒜港・函館港などの建設に携わっています。
明治13年に完成した十六橋水門ですが、現在、利水上は機能しない存在となっています。しかし治水上は今だに新築と同程度以上の機能が維持されており、また文化的・歴史的構造物としても保存する努力が続けられています。水門の脇にはファン・ドールンの功績をたたえた銅像が建てられています。
皆さんも十六橋水門のような土木遺産をご覧になり、先人たちの高度な技術を体感してみてください。
弊社では歴史的土木構造物だけではなく史跡、名勝や古民家等の史跡、名勝や古民家等の文化財を3次元データ化しております。
HPに事例をご紹介しておりますのでぜひご覧下さい。
建築物測定 国宝白水阿弥陀堂(2009年)
建築物測定 会津鶴ヶ城(2013年)