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【フタコン通信】VOL.027(2014年04月25日号)
【豆知識】
雨と雪の境目
今年の2月、ここ数年まれにみない大雪が降った事はまだ記憶に新しいと思います。
全国的に影響をあたえた大雪、しかしながら一方で当然雪が降らなかった地域もありました。
皆さんも車を運転していて雨が降っていたのにいつの間にか雪に変わっていたなんて経験ありますよね?
今回はそんな雨と雪の境目についてお話したいと思います。
そもそもなぜ雪は降るのでしょうか?
当然気温が低い時に降るのですが、もうひとつの条件として周囲の湿度が一定上乾燥している必要があるのです。
いくら気温が低くても(たとえ0度以下でも)湿度が一定上乾燥していないと雨のままなのです。
この湿度の事を相対湿度といいます。
当然の事ですが、上空で成長した雪の結晶が溶けずに地上にきた場合は雪、溶けて地上にきた場合は雨となります。
空気が乾燥していると雪の結晶から熱を奪われてしまい、冷えたままで溶けずにいるので雪のまま地上に落ちてくるのです。
逆に湿度が高い場合は熱が奪われず、落ちてくる間に溶けて雨となってしまうのです。
ですから気温が2度、3度と高くてもこの相対湿度が50%より低いと雪が降ることがあるのです。
気温の高い関東地方でも、今年の2月あれだけの雪が降った理由もそこにあったようです。
冬は空気が乾燥しがちですが、そんなところも関係しているんですね。
この気温や湿度そして気圧などの変化は、我社が行っている測量作業にも影響をあたえています。
測量で距離を計測する際にトータルステーションという器械を使用します。
このトータルステーションから光波という光を放ち、その光がプリズムにより反射して器械まで戻る時間と光の速度によって距離を計測するという仕組みになっています。
この光波が気温や気圧などの気象状況によって影響を受けるのです。
光は空気中を通過するので、気象状況に影響を受け光の速度が変化し誤差を生じてしまいます。
例えば、同じ距離を測定しても夏と冬では同じ数値が観測できません。
気温が高くなれば影響は大きくなってゆき測定距離は短くなり、気圧が高くなれば影響は小さくなりますが測定距離は長くなっってしまいます。
そのため我々測量技術者はこの測定結果に「気象補正」という処理を行い正しい数値を決定しています。
何気ない気象の話でしたが、こんなところにも影響を与えているんですね。